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蹴上発電所は日本最初の事業用水力発電所なんです!

スマートコミュニティをコンセプトとした次世代の街づくりプロジェクトを進行している弊社 京都支社のすぐ近くには、日本で最初の事業用水力発電所となった「蹴上(けあげ)発電所」があります。琵琶湖疎水を活かした自然エネルギーによる水力発電、これはぜひ紹介しなくては…と今回のブログのテーマです。

日本で最初の事業用水力発電所「蹴上発電所」

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「琵琶湖発電所」は琵琶湖疏水で得られる水力の有効活用の目的で建設。第1期発電所は明治23年(1890)年1月起工され、明治24年(1891年)5月にはペルトン水車(120馬力)2台、エジソン式直流発電機(80kw)2台の出力160kwで運転を開始しました。
第1期工事完成時には20基の水車と19基の発電機が据え付けられ出力は1,760kwになりました。
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発電•送電された電気は、明治28年(1895年)、塩小路(現在の京都駅)〜伏見駅へ走る日本初の市街電気鉄道(京都市電)の開通に大きく貢献。京都の街はもちろん、京都市内の時計工場や紡績工場に動力用電力として供給され、明治31年には2000馬力にも達していたそうです。京都の近代化に大きく貢献した蹴上発電所は、開業から100年以上を経た今でも電気を送り続けています。

また、琵琶湖疏水は用水以外にも水運路として使用されていましたが、標高差の大きい(582mに36m)蹴上にはインクライン(傾斜鉄道)を設けて船を台車に載せて渡して(上下させて)いました。 インクラインのレールと車両が現在も比較的良好な状態で残っていて人気の観光スポットとなっています。
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レンガ作りのモダンな建物。現存しているのは第二疏水を利用した第2期工事の発電所だそうですが、それでも明治45年から稼働し、現在も関西電力蹴上発電所として現役ですから、なんと100年近い長寿!京都の産業振興に大きく貢献してきた水力発電所が市街に現存している。支社にきて1年、毎日なにげに前を通っていたとは…驚きました。
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蹴上発電所に資料館などはありませんが、すぐ北にある琵琶湖疏水記念館(京都市左京区南禅寺草川町17)は同疎水竣工100周年を記念して平成元年に先人の偉業を顕彰するとともに京都の活力の源となることを願って開館。ここにはスタンレー式発電機や直径2.4メートルもあるペルトン式水車なども展示されています。ご興味のある方はぜひ訪れてみてください。

◆ 雑学1/主な水力発電所の最大出力
関西電力の水力発電所は、黒部川、庄川、神通川、木曽川水系のほか、近畿地方(大阪府を除く1府4県)、福井県に合計151ヶ所、総出力約821万kWあります。※平成25年11月現在
蹴上発電所/4,500kw(水路式)
同じ淀川水系の宇治発電所/32,500kw(水路式)
黒部第四発電所/355,000kw(ダム水路式) クロヨンの名で親しまれている
奥多々良木発電所/1,932,000kw(純揚水式)
奥吉野発電所/1,206,000kw(純揚水式)

◆雑学2/蹴上の名の由来
いくつかの本に名の由来が書かれているが、いずれも類似した解釈がなされています。竹村俊則氏の「昭和京都名所図会」には、このあたりは三条白川橋から山科大津に至る街道筋にあたり旅人が往来する道であった。安元3年(1177)の秋、牛若丸(後世の源義経)が金売り吉次に伴われて奥州目指してくだる途中、たまたまここを通りかかった平家の武士関原与市重治 の馬が水溜りの水を牛若丸に蹴りかけてしまった。牛若丸がその無礼をとがめて喧嘩となり、与市を斬り捨てたことからこの地区を蹴上と呼ぶようになったというそうです。
by takushin_blog | 2014-04-11 10:40 | 琵琶湖スマートコモンズ関連