リニューアルされた琵琶湖疏水記念館を訪れてみた。
7月1日は「びわ湖の日」の特別展示は7月末まで開催。
琵琶湖疏水竣工100周年を記念して平成元年8月に開館した琵琶湖疏水記念館は開館30周年を迎え、この春、リニューアルオープン。快適で分かりやすい空間・展示を通じて、琵琶湖疏水の魅力を小学生や観光客など幅広い皆さまに楽しみながら学んでいただけるような刷新だそうです。
前回の20周年リニューアルから10年が経過する中で、
来館者ニーズに沿った新たな展示コンセプトは
①印象的な空間演出
②ストーリー性のある動線とゾーニング
③分かりやすい展示
④フィールドミュージアムの情報発信拠点化
大型テーマグラフィックやプロジェクションマッピングでの迫力ある映像や、
水力発電体験装置など体験型展示を導入。
〔1階〕
エントランス/琵琶湖疏水トンネルのアーチと水面の揺らぎがイメージされた照明。アーチ状の照明は歴史へと誘うタイムトンネル風の演出にも感じられました。壁面には疏水沿線の名所を紹介するパネルが展示されています。
ガイダンスシアター/大型スクリーンで琵琶湖疏水建設にまつわる人々の情熱や苦難に満ちた歴史を分かりやすく映像化。沿線の美しい風景とともに紹介しています。
第一展示室/第3代京都府知事の北垣国道は、未来を見据え、京都を復興させるための一大プロジェクトとして琵琶湖疏水を計画。そして技師の南一郎平や田邉朔郎らによって、琵琶湖疏水は実現に向かっていくことになります。第1展示室では、琵琶湖疏水がどのように計画、建設されたかについて紹介されています。プロジェクションマッピングで疏水工事の行程や規模を実感、精密な測量図面など貴重な資料が展示されています。
〔B1階〕
第二展示室/明治23(1890)年に完成した第1疏水は、水力発電や舟運など、様々な役割を果たしました。また、明治45(1912)年の京都市三大事業の完成によって、京都は近代都市へと生まれ変わりました。
京都の人びとが琵琶湖疏水を使ってどのように街を発展させたのかを京都のジオラマ(街並み)模型で知ることができます。
第三展示室/時代とともに琵琶湖疏水の果たす役割は大きく変化します。鉄道や自動車の発達により舟運が途絶え、人口の増加で田畑が宅地に変わり、水車小屋も姿を消しました。しかし、琵琶湖疏水は今も水道の原水を運ぶほか、水力発電などに使用され、京都市民の生活を支えています。激動の時代から現在、そして未来へと続く疏水の流れを確かめることができます。インクラインの模型や360°VR MAP(高精度360°パノラマ映像)を使って楽しめます。
〔2階〕
2階では特別展を開催し、常設展示されていない資料を特別公開。
7月2日〜31日までは琵琶湖に関する特別展示を開催。琵琶湖と京都市の関わりを紹介するパネルの展示など。
〔屋外〕
1階屋外には、御所水道45°鉄管、B1階屋外には、琵琶湖疏水で活用した水力発電に使われたペルトン式水車とスタンレー式発電機等が展示されていますが、とても堅牢無比なつくりであることが実感できます。
お土産に?
「京のかがやき 疎水物語」
京都市の水道水を、災害用備蓄飲料水として缶詰に。製造後、常温未開封で10年間保存が可能というのがとても魅力です。
定価:100円(1本)(税込)
大型のスクリーンやプロジェクションマッピングなど視覚とナレーションによる演出は、現代の映像慣れした来訪者ニーズに添い、飽きることなく見ることができるし、ボタン操作できるジオラマ模型などはお子様にも楽しい展示ではないでしょうか。これから炎天下の観光や散策のスポットにいかがでしょう。
◻開館時間
午前9時~午後5時
※入館時間は午後4時30分まで
◻入館料
無料
◻休館日
毎週月曜日(月曜日が祝日・休日の場合は翌平日休館)
滋賀県では,「びわ湖の日」をはじめ、一年を通じて琵琶湖を守り、
美しい琵琶湖を引き継ぐための活動が各地で行われているほか、
びわ湖の日(7月1日)から山の日(8月11日)までは「この夏!びわ活!」をテーマに様々な企画が展開されています。